光触媒最新情報

地球温暖化問題と光触媒

2014-12-09

 先日、地球温暖化を取り上げているテレビ番組を見ました。番組では温暖化の原因として二酸化炭素が増えていることの他に、メタンについても触れていました。そこで今回は地球温暖化について解説し、さらに光触媒技術が温暖化防止に貢献できるのか検討したいと思います。

【温暖化の原因】
 地球は太陽からの光で温められていますが、赤外線などの形で熱を宇宙に放出しており、それが釣り合って今の地球の温度になっています。この太陽からの入力と宇宙への放出のバランスが変わると、地球の温度も変わるのです。太陽からの入力は太陽の活動状態で変化します。太陽の活動状況で太陽表面の黒点が増えたり減ったりすることで観察できるようですが、太陽活動が活発になると光が強くなって暖かくなる、といったような単純なことではないようです。現在の太陽は活動が弱くなってきていて、太陽からの影響は地球寒冷化の方向に働くのではないかという話もあります。
 一方、宇宙への放出については地球の状態が影響します。その中でよく言われているのが温室効果というものです。大気中に熱を溜めやすい成分(温室効果ガス)が増えることで熱が逃げにくくなり「温室」のように地球が温暖化するという理論です。

【温室効果ガス】
 温室効果ガスには温室効果の影響度を示す「温暖化係数」というものがあります。代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の影響度を「1」として、二酸化炭素に対する影響の強さを相対的に表しているものです。「熱を溜めやすい」ことの指標に「比熱」というものがあります。1℃温度を上げるのにどれくらいのエネルギーが必要なのかを表したもので、逆にいうとどれくらい冷めにくいのかを表しています。温暖化係数はこの比熱に比例しているのかと思っていたのですが、そんな単純なものではありませんでした。通常、温暖化係数はそのガスが100年の間に温暖化にどのように影響するかを算出したもので、比熱だけでなく大気中でその成分がどのように循環するか、寿命はどれくらいか、などなど様々な要因を含めて計算されています。フロンも温室効果ガスですが、フロンは比熱が大きくまた自然界でなかなか壊れないため、温室効果が大きいガスの一つになっています。
 気象庁のホームページで地球温暖化問題を取り上げていますが、この中で人間の活動で発生している温室効果ガスの種類と影響度について示した図があります。この図は温暖化係数を考慮していて二酸化炭素の影響度合いに対して他のガスがどれくらい温暖化に影響しているのかを示した相対的な割合を示しています。この図では二酸化炭素が76%くらいで、メタンが15.8%、一酸化二窒素が6.2%、フロン類などが2%となっています。

【温暖化対策と光触媒】
 一酸化二窒素は主に自動車や工場などから排出されます。フロンも産業用に使われているものが空気中に漏れたりして放出されています。一酸化二窒素やフロンは排出に対してすべてではないにしろある種の規制がありますが、メタンの排出には規制がありません。一酸化二窒素は一部自然界からの放出もありますが、一酸化二窒素やフロンは排出場所が特定し易く、排出場所での規制ができます。しかしメタンにはそのような規制がありません。温暖化問題ではメタンが家畜のゲップに含まれていることを指摘されていますが、このような人間活動に関連して発生するだけでなく、自然界で落ち葉などが腐敗するとメタンが生成されますし、天然ガスとして地中にもたくさんあることが関係しているのかもしれません(最近はメタンハイドレー
トとして海の中にもあることがわかってきています)。また他の化合物と較べてメタンの毒性が低いこともあるのかもしれません。しかし今後は地球温暖化対策の点からもメタンの排出に対しても何らかの規制が必要になるでしょう。
 メタンは都市ガスなどにも使われているように、燃やしてしまえば水と二酸化炭素になります。二酸化炭素も温室効果ガスですが、メタンに較べれば温暖化係数はずっと小さいので温暖化対策になります。とはいえ大気中に放出されて非常に薄くなってしまったメタンは台所で使うように燃やすことはできません。「希薄なメタンを酸化する」という問題に対しては、光触媒が使えるのではないでしょうか。光触媒活性によってメタンは酸化できるはずです。問題は光触媒になるべく多くの大気を接触させることにあります。牧場の周りに太陽光パネルならぬ光触媒パネルを設置する、なんていうこともあり得るかもしれません。光触媒加工品を使うことは地球温暖化対策に少しだけでも貢献している、と言えなくもないでしょう。

                                    【室伏】

 参考ページ;気象庁のホームページ

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