花粉アレルゲン不活化試験の結果報告

 「光触媒は有機物を分解除去する力がある」ということで菌やウイルスを除去する効果があります。抗菌や抗ウイルスについてはJISで試験法が決まっており、カタライズでも試験を実施し、抗菌や抗ウイルス性能を確認してきました。ただ、光触媒による花粉の分解除去については試験方法が決まっておらず、効果を測定した実験はほとんど公表されてきませんでした。カタライズでは今回、光触媒により花粉アレルギーの原因となっているアレルゲンタンパクを分解できるのか実験しました。
 試験方法は手順としては抗菌試験などと似ています。ガラス板(5×5cm)にヒカリアクターH3を塗付したものを試料としました。衣類などに付着するスギ花粉の分解を想定すると布地に加工した方が良かったのですが、布地にアレルゲンタンパクが吸着すると試験の精度が著しく低下することが考えられたため、吸着がほとんどないガラス板を使用しました。光触媒による効果を測定する上ではこちらの方が適しているとも言えます。この試料にスギ花粉のアレルゲンタンパクを滴下し、乾燥しないように透明フィルムを被せ紫外線を4時間照射したあと、アレルゲンタンパクを洗い出してアレルゲンタンパクの量を測定しました。照射した紫外線強度はタンパク質が変性しないように0.25mWとしました。花粉は屋外を飛んでいますが、屋外の紫外線強度と較べると低めの紫外線強度となっています。アレルゲンタンパクの測定にはELISA法という方法を使いました。この方法はアレルゲン物質の測定に普通に使われている方法です。抗原抗体反応を利用してアレルゲンを測定するものです。タンパクが完全に分解しなくてもアレルゲンとして機能しなくなれば(不活化すれば)測定されなくなる、というものです。光触媒の酸化分解効果による花粉アレルゲンの不活化性能を測定することになります。
 4時間後のアレルゲンタンパクの測定結果は以下の通りです。
 
 アレルゲンタンパクの量は1サンプルあたりの重量(ng;百万分の1g)で表示されています。ヒカリアクター塗付ガラスの4時間後の測定結果は1.56未満となっていますが、これは検出限界が1.56ngであり試験結果の表示上「1.56未満」となっています。今回の試験ではアレルゲンタンパクは測定できない状態(ほぼ0)でした。
 なお初期のアレルゲンタンパクの量が87.1ngになっていますが、この量は主に実験操作上の制約から決められています。ただしスギ花粉が飛散している時期の大気中のアレルゲンタンパクの濃度が0.06ng/立方mという報告(大気環境学会 42 (6), 362-368)があり、その濃度と比較すると1,000倍以上の量となっているので、実験条件としては充分な負荷になっているものと考えられます。
 以上より、実用レベルで光触媒によりスギ花粉アレルゲンを不活化することができるという結果が得られました。

                                   【室伏】

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