身近にあるウイルスの脅威

 最近、様々なウイルスのニュースを聞くようになりました。私が子供の頃(40年以上前になりますが…)のウイルスといえばインフルエンザ(香港かぜなどと言われていました)のことでした。しかしその後、新しいウイルスとして、エイズ(後天性免疫不全症候群:AIDS)を発症するヒト免疫不全ウイルス(HIV)の世界的流行やノロウイルスによる集団感染などを耳にするようになりました。多くの人が短時間に世界中を行き交うようになったために、ウイルスの移動も世界規模で起きるようになりました。
 ウイルスによる感染症がその発生源とは遠く離れた日本でも身近な問題となり、マスコミでも様々なウイルスについて頻繁に取り上げられるようになっています。そんな中でいつ自分自身あるいは身近な人が感染してもおかしくないウイルスについて取り上げた番組がありましたのでここで紹介しつつ、光触媒がどのように関わるのか解説します。

【危険ウイルスワースト6】
 今回取り上げるのはテレビ朝日「林修の今でしょ!講座」 2014年9月23日(火)放送の『スーパードクターに学ぶ知っておきたい医療・健康3時間SP』の中で紹介された「何が怖い?対処法は?名医が教える今知っておくべき危険ウイルスワースト6」です。危険なウイルスを選ぶ基準はいろいろとあると思いますが、この番組で紹介されたウイルスは日常にある危険として真っ先に注目すべきウイルスが選択されていたと思います。
<6位;デングウイルス>
 亡くなった方はいないようですが、都心で発生したので非常に話題になりました。蚊が媒介するので、とりあえず冬は越さないと言われています。ただ暖かくなってまた蚊が飛ぶようになる頃に再発するのか注意が必要です。
<5位;ノロウイルス>
 食中毒の原因。日本でも介護施設などで集団感染が発生したりしています。
<4位;鳥インフルエンザウイルス>
 ヒトには感染しないといわれていましたが、中国で感染した人がみつかったようですが、まだ人から人に感染はしていないようです。ただウイルスが変異して大流行する可能性があり、医療機関は警戒しています。私が子供の頃、「香港かぜ」というのをよく聞きました。かぜと言っていましたが、インフルエンザだったのですね。
<3位;SFTSウイルス>
 聞きなれない名前のウイルスですが、ダニが媒介するウイルスで日本でも感染した人が出ています。屋外でマダニに噛まれると感染するようです。今のところ西日本で発生していますが、そのうちに日本全国に広がるのではないでしょうか。
<2位;エボラウイルス>
 何年か前から時々耳にするようになったウイルスです。今年西アフリカ諸国で流行しており、医療関係者などが帰国した国でも発症して騒ぎになったりしています。エボラ出血熱を発症すると激しい症状に襲われ、致死率が高い病気です。今世界中でもっとも注目されているのがこのエボラウイルスです。
<1位;狂犬病ウイルス>
 日本ではみられなくなりましたが、海外から帰国した人が発症することがあります。野良犬が多くいる国ではまだまだ多くの人々が犬に噛まれて発症し亡くなっています海外旅行にいったときには注意が必要です。

 今回の番組ではHIVはランキングに入っていませんでしたが、HIVも決してなくなったものではありません。日本国内でも多くの人が今も感染しています。デングウイルスやノロウイルスよりも危険かもしれません。感染経路の説明がゴールデンタイムの番組に向かないとテレビ局が判断して順位にいれていなかったのでは、なんて思ってしまいます。

【光触媒の働き】
 危険なウイルスについて紹介しましたが、その対策についてもいろいろな専門家が提案しています。そこでここでは光触媒によるウイルス対策について簡単に紹介します。
 光触媒によるウイルス除去性能の試験方法がJIS(R1706、R1756)にもあるように、光触媒はウイルスを分解除去することができます。カタライズでも光触媒加工品によるインフルエンザウイルスやノロウイルスに関する不活化効果の試験を実施しています。とはいえウイルス感染症の治療などを行っている医療機関などでのウイルス対策には不向きな点があります。例えばエボラ出血熱患者の治療にあたった医療従事者が、防護服を脱ぐときに付着していた患者の体液に触れて感染してしまったといったことがエボラウイルスでは起きているようですが、このような事例については光触媒加工は充分な効果を得ることはできないでしょう。患者の体液で感染する場合、ウイルスを分解除去するためには体液全体を分解しなくてはならないため効果を発揮するまでに時間が掛かってしまい、有効なウイルス感染対策にはなりません。光触媒によるウイルス対策は室内環境を改善することによるウイルス感染リスクの低減といったことに適していると思われます。室内の壁などに塗付することで、明るい環境下では常に抗菌・抗ウイルス効果が得られます。さらに菌やウイルスの種類にほとんど依存せずに効果を発揮できます。この点からも「リスク低減」といったことに有利なのではないかと思います。

                                    【室伏】

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