世界で進む環境汚染

【世界で進む環境汚染】
 最近、PM2.5が話題になっていますが、中国だけでなく世界中の様々な都市で空気汚染が問題になっています。4月5日放送のネプ&イモトの世界番付では「空気がキレイな国」の番付に関連して、番付が下位の空気汚染がヒドイ国についても取り上げていました。呼吸器疾患でテヘランやマニラでは一年で数千人の人が亡くなっているとのことでした。その対策にマニラではビルの壁に窒素酸化物を取り除く特殊な塗装をしているということが紹介されていました。イギリスではジーンズに空気をきれいにする酸化チタンを加工している、なんてことも映し出されていました。これって光触媒のこと?そうきっと光触媒のことでしょう。窒素酸化物を取り除く特殊な塗装というのは、日本でも自動車の排気ガスを浄化するいために道路沿いの壁に光触媒塗装を試験したりしています。「ジーンズに光触媒」はカタライズでも某ジーンズメーカーに採用されたことがありますが、そのときはジーンズの抗菌消臭が目的でした。光触媒加工ジーンズを穿いた人が歩いた後の空気がキレイになっているなんてことは無理としても、大気汚染があまりにひどいので少しでも空気をきれいにしたいということでしょう。
 番組では空気がキレイな国の最下位はなんとモンゴルでした。この原因は砂漠の黄砂と暖をとるために燃やしている石炭の煙ではないか、ということでした。石炭はそのまま燃やすと煤をたくさん含んだ黒い煙が出ます。薪を使うと森林が減ってしまって砂漠化の原因になることがあるため、石炭を使わざるを得ないこともあるのでしょう。でも太陽電池パネルなどを使用すれば石炭の使用量を削減できるのではないでしょうか。
 日本でも高度成長期には経済優先で様々な汚染が問題になった時期がありました。規制を強化し、それを達成するための技術開発を進めてきたおかげでかなり環境汚染は軽減されています。日本の環境改善技術が少しでも世界の役に立てれば、と思います。

【出口での浄化】
 汚染物質を効率良く取り除く一番いい方法は発生源に一番近いところで除去することです。煙突から大気中に出てしまった有害物質を除去することは技術的にとても難しくなります。大量にある汚染した大気を集めるだけでもたいへんことになってしまいます。まずは有害物質が装置や施設から出て拡散しないうちに捕集すれば、処理する対象物の量が少なくて済みます。昔は有害物質の濃度を下げれば危険がなくなるということで、有害物質を大気や川に流して希釈していました。でも今では工業化が進み発生する有害物質の量も桁違いに増えています。希釈するだけでは追いつきません。それに希釈しても自然界の食物連鎖で濃縮されることもあります(水俣病などはその典型です)。有害物質は発生源で除去するのが一番有効な方法です。
このことからいうと、ガソリンで走る自動車も電気自動車にするのがいいことになります。
 現在では排ガス規制が厳しくなりそれを達成する排ガス浄化触媒技術も進んでいますが、排ガスもまとめて処理する方がキレイに処理できます。火力発電所で電気を作って自動車のエネルギー源とし、排ガスは火力発電所という施設内でまとめて処理するのです。まあその場合でも、発電所での発電効率やモーターの効率、エンジンの効率などの比較や、製造時の有害物質の発生状況の比較なども必要になるでしょう。環境への影響を考える場合は、エネルギーの作り方や使い方をその設備も含め、トータルに考えてゆく必要があります。

【身近な対策】
 ところで自動車の排ガス規制や工場からの廃棄物の規制が厳しくなって有害物質がほとんど出なくなったとはいえ、まったく出ない訳ではありません。膨大な数の自動車が走っていますし、工業地帯には多くの工場が集まっています。その上、規制の緩い国から気流に乗って有害物質がやってくるようになっています。大気汚染は地球規模で考えなくてはなりません。出口対策は最重要ですが、日常生活の中でも如何に大気汚染から身を守るかということを考える必要があるでしょう。
 まず思い付くのが空気清浄機だと思います。HEPAフィルターなどが使われている仕様ではかなり小さなものまで捕集することができます。PMや花粉も捕集できるのではないでしょうか。それでも分子状のニオイやVOCなどはフィルターでは捕集できないので、吸着剤やオゾン発生装置などと組み合わせることになります。ただし吸着剤では除去しにくいニオイがあります。またオゾンは強い酸化剤でありニオイ分子などを酸化分解しますが、それだけに人体にも影響があるので装置から漏れないようにする必要があります。またフィルター交換などのメンテナンスや電気も必要です。空気清浄機の多くは初期費用だけでなく維持費もかかってしまいます。とはいえ空気清浄機は室内の空気を積極的に浄化することができるため、最近販売台
数を増やしています。
 空気清浄機以外の方法として、冒頭にジーンズや壁に加工しているということを紹介した光触媒技術があります。オゾンの代わりに光触媒でニオイなどを取る空気清浄器があるように、光触媒は空気中の有害物質を除去する力に優れています。壁に塗布したりカーテンに加工したりすれば、空気清浄機のように電気を使うこともありませんし、メンテナンスもほとんど必要ありませんので、維持費もかかりません。光触媒は「光」によって機能しますが、日常の生活空間にある光で充分働きます。ポイントはなるべく明るい場所にできるだけ多くの光触媒を塗付する(光触媒加工製品を置く)ことです。空気清浄機がアクティブセーフティーで、光触媒はパッシブセーフティーといったところでしょうか。光触媒で常に備えておいて、必要に応じて空気清浄機でアクティブに浄化する、というのはいかがでしょうか。光触媒の除去性能については弊社のホームページでも紹介しています(クリックすると紹介ページに移動)。「環境対策といえば光触媒」ということが社会に定着するように、さらなる技術開発と情報発信を進めて行きたいと思います。

Copyright © CATARISE CORPORATION ,All Rights Reserved.
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