光触媒の消臭機能

【最近の香り事情】
 このところ洗濯した衣類がいつまでも香っているようなテレビコマーシャルをよく見るようになりました。洗濯に使う柔軟剤のコマーシャルでは、ちょっと前までは柔らかくなることを謳っているものがたくさんあったのに、今は柔らかく仕上がるという柔軟剤本来の機能よりもいかにいい香りが続くかということが、柔軟剤を選ぶ基準になっているというのです。
 また洗剤の方にもいろいろな香りがつくようになりました。昨日もスパーで洗剤を買おうと思ったのですが、香りがついていない洗剤が欲しかったのにとうとうみつからず、しぶしぶ香りつきの洗剤を買うことになってしまいました。
 様々な香りのついた製品が出ていますが、最近はその香りがだいぶ強くなってきているようです。先日毎日新聞に「<柔軟剤>『高残香』タイプで体調不良を訴える人が増加」(8月3日)という見出しの記事がありました。香りの「強度」を測定すると、タバコのニオイと同じくらいの強度があるとのことで、化学物質過敏症の人には耐えられないもののようです。また、ヤフー知恵袋への質問で外から香料の香りがしてくるのだけど、何とかならないものか・・・といった内容の投稿がありました。もしかしたら近所で高残香タイプの柔軟剤を使った洗濯物を干しているために、香料の香りがしてくるのかもしれません。
 香りには好き嫌いがあるので好きでもない強い香りを嗅ぐのはいい気分ではないですが、まだ我慢の範囲といえます。しかし過敏症の方は体調不良にまでなってしまうのでは我慢では済まないことでしょう。

【香りを使わない消臭】
 いつからこんなに香料を使うようになってしまったのでしょうか。ニオイを消すための消臭剤にまで香料が入っているのです。消臭剤はニオイをとるだけにして、香りは自分で好きなものを使うのがいいと思うのですが。その点、光触媒による消臭は香りを付けるということがまずない消臭方法です。今までの消臭剤は吸着や中和という仕組みでニオイを除去しています。香り成分は主に芳香族といわれる化合物なのですが、この芳香族化合物というのは吸着や中和ではなかなか除去しにくものなのです。よく「悪臭だけ取り除き、いい香りを残す」という消臭剤がありますが、「残す」というより、取り除けないので「残ってしまう」のです。そのため消臭剤には香りを付けることができるのです。香り成分(芳香族化合物)が消臭剤に到達しても、吸着や中和作用でしっかり捕まえることが難しいのです。
 しかし光触媒の場合、香りを付けるということ自体が光触媒の消臭活性の邪魔になってしまいます。光が当たっている状態で香り成分が光触媒粒子に到達するとそこで光触媒反応が直ちに始まり、香り成分を分解除去するまでその他のニオイを除去する能力が著しく阻害されてしまうのです。この項の表題として「香りを使わない消臭」と書きましたが、光触媒の場合「香りを使えない消臭と」ということになります。また香水などの香りを使ってもそれが部屋に残ってしまうのが嫌な人には向いているでしょう。部屋に香りが残らなければ、次に別の香りに替えたときでも前の香りと混ざってしまう心配がありません。ニオイには人は慣れ易いのでついつい強い香りなどは強くなってしまいがちです。それをリセットするのにも光触媒はいいのではないでしょうか。

                                     【室伏】

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