新型ウイルス感染抑制と光触媒

 新型コロナウイルス感染対策製品や技術がいろいろ出てきています。カタライズでも最新情報で光触媒がウイルス感染対策の一つになりえることを抗ウイルス試験結果を示して報告してきました。今回はその光触媒の使い方をいくつか提案したいと思います。

 今回の新型コロナウイルスの主要な感染経路の一つが接触感染です。そうであれば(不特定多数の)人がよく触れる場所に光触媒を加工しておくことで感染防止になるのではないでしょうか。その代表的なものが公共交通機関(電車、バス、タクシーなど)の室内や最近増えてきているカーシェアリングに使われている車の室内などです。これらの場所では頻繁に消毒や清掃ができません。その点、光触媒を加工して(かつ光が当たるようにして)おけば、ウイルスを分解除去することが可能です。もちろんアルコールで拭き取るように一瞬にしてウイルスを除去できるわけではありませんが、一定の効果は充分期待できるでしょう。特にカーシェアリングでは使用者に消毒や清掃を任せることになってしまいます。こんなところにはぜひ光触媒を使って欲しいですね。
 過去にNEDOプロジェクトで空港に光触媒を使ってパンデミックを防ごう(海外からのウイルス侵入阻止)、という計画がありました。空調施設内に光触媒装置を置いて空気を清浄できるか、実際に空港で試験をしました。ただ空港は室内空間が大きいうえにかなりオープンな施設であり常に屋外から新しい空気が入ってくるので、光触媒による明らかな空気清浄効果は得られなかったようです。家庭やオフィスくらいの空間であれば結果は違っていたかもしれません。ウイルスを含んだ飛沫は室内でかなりの時間浮遊していることが報告されています。オフィスや家庭の室内空間であれば光触媒を使った空気清浄器と壁紙などに光触媒を塗付するなどで、室内空間を改善することができると思います。
 また冬場であれば手袋に光触媒を加工しておくのもいいでしょう。簡単な実験でしたが、セーム手袋に光触媒を加工して電車に乗った後、手袋表面の清浄度を測定するといったことをしてみました。その結果、光触媒を加工している手袋では細菌の量を示す値が下がっていることがわかりました。ウイルスに対しても同様の効果が得られると考えています。もちろん手袋をしていても、他のものを触ってすぐに顔などを触れてしまうと効果が得られませんが。実験の詳細はカタライズのFacebook(https://www.facebook.com/catarise/)で公開しています(4月1日の記事)。

 以上のように様々なものに光触媒を加工することでウイルス抑制効果が得られると思います。もちろん光触媒だけで大丈夫ということではなく、いろいろな方法を利用すべきです。この点についてはカタライズHPの最新情報(5月15日記事)で取り上げていますので、そちらもご覧ください。また光触媒工業会としても光触媒による抗ウイルス効果について公式見解を発表しています。そちらも参考にしていただければと思います。

                           【室伏】

光触媒工業会の公式見解(2020.4.24ニュースに掲載)
 ⇒「光触媒による抗ウイルス効果 公式見解」(2020.4.24掲載)

カタライズ最新情報
 ⇒「新型コロナウイルス抑制方法について」(2020.5.15掲載)

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